筋トレで五十肩に?改善の経緯とやってはいけないこと
来院前の状態とお悩み
60代男性の方が、右肩と首の痛みで来院されました。
右腕を挙げる動作に加え、右を向く動作が出来ないとのことでした。
普段はデスクワークをされていて、毎日1時間ほどの電車通勤でしたが、荷物が重いのが結構きつかったそうです。
休日にはご自宅で筋トレ等をしたり、意欲的に運動を行っているようでした。
ただ筋トレ後のストレッチは腰や背中が中心で、肩周りや首のストレッチはあまり行っていないとのことでした。
初回来院時
来院時は、肩の高さより少し低い位置までしか右腕が挙げられず、首も右側に顔を少し向けられるぐらいで、真横を向くことが出来ませんでした。
お身体の状態をチェックしたところ、首から肩、さらに腕にかけて筋肉にだいぶ硬さがあり、また首と背骨に捻じれたゆがみがありました。
背骨と首の骨のゆがみの調整、および運動療法を含めた筋肉を緩める施術を行った後、ご自身でも行える、首と肩甲骨周りのストレッチや運動の指導も行いました。
施術後は、肩の痛みはまだ残り、腕の挙がりもまだまだ万全では無いものの、首の動きが来院時よりスムーズになりました。
改善までの経緯
2回目以降も、基本的には初回と同様の施術を行いました。
肩の動きはまだまだでしたが、骨格のゆがみの度合いが少なくなっており、首の動きが回を追うごとに改善していきました。
4回目以降は、筋肉を緩める施術を中心に行いました。
運動療法に加え、腕が挙がらない原因となっている筋肉を集中的に緩め、肩関節の可動域を改善していくことに重点を置いて施術を行いました。
初回来院時から2週間経過した頃には、可動域(動く範囲)を狭める原因となっていた筋肉の緊張も、だいぶ改善されました。
肩の高さまでしか上がらなかった右腕がまっすぐ上まで挙げられるようになり、首も真横を向けるまでになりました。
現在は五十肩や首の症状はほぼ改善し、メンテナンスで週1回程度通われています。
筋トレとストレッチはセットで行いましょう
首や肩の痛みは、骨格のゆがみや筋肉の硬さが原因で起こる場合が多いですが、さらに肩の関節に炎症(熱っぽさ)が発生すると、四十肩や五十肩、首では寝違いといった症状になってしまう場合があります。
炎症が出る場合、突然炎症が出るわけではなく、筋肉が硬くなった状態が長期間続いている中で、無理に酷使し続けることにより起こります。
今回の場合、まだ炎症が出る前だったため、筋肉を緩めてあげることで、短期間に大幅な症状の改善が見られました。
もし炎症がある場合には、熱っぽくなっている部分を冷やしてあげた上で、安静にすることが必要です。
今回は、普段通勤で重い荷物を持ち歩いて肩や首の筋肉に負荷をかけた上に、同じ筋肉に対して筋トレを行っていたことで、硬くなっていた筋肉をさらに硬くしてしまっていました。
さらに肩周りや首のストレッチをほとんど行っていなかったことで、筋肉の硬さがどんどん蓄積されて痛みが発生するとともに、可動域がどんどん狭くなってしまっていました。
筋トレは、筋肉がつく半面、きちんとケアをしないと、筋肉が硬くなってしまう要因にもなります。
筋トレで関節や筋肉を痛めないためにも、鍛えた筋肉に対してしっかりストレッチを行い、筋肉が硬くなり過ぎないようにケアをしてあげることが大切です。